映画「キングダム2」ネタバレ感想。とにかく戦いまくりの大満足アクション。
遅ればせながら、映画「キングダム2 遥かなる大地へ」を観てきました。
前作で山の王・楊端和を演じ、私を興奮の渦に巻き込んでくれた長澤まさみ様が今作には出ないということで、観るかどうかちょっと迷ってたんですよね。
しかも、キングダム2の上映時間は134分。
映画って、130分を超えてると異様に長く感じるのは私だけ?
う~ん……と思い評判を調べてみたところ、映画.comでは4.0(2022/8/6時点)と高めじゃないか。
チャンバラ愛好家の私、よっしゃ観ておくか~という感じで映画館へGO。
結果、最高すぎて泣いちゃった。
全米が泣いたレベルのやっすいコメントで申し訳ない。
長澤まさみ様が出ない134分間、私にとって価値はあるんだろうか……と少し不安に思っていたあの頃の私をぶんなぐりたいね。
大満足です。本当に観てよかった!!!
とにかく戦いまくってる映画
何が最高だったかっていうと、
- 134分のうち8割以上は戦のシーンなんじゃ?というくらい戦いまくってる。
- エキストラ何人用意した?ってくらい星の数ほどの人たち(&馬)が攻め込みまくる。
- 俳優陣がそれぞれ好演していてキャラ立ちまくり。
だから、私みたいにチャンバラアクション映画を愛する人にはぜひ見てほしい!
逆に、アクションにあまり興味がない人は退屈になってしまうかもしれません。
まじでずっと戦ってるから。戦いが終わったと思ったら別の戦いが始まるから。
あと長澤まさみどころか、メインキャストと思っていた吉沢亮(エイ政)もほとんど出てきません。橋本環奈(河了貂)も。
山崎賢人演じる信、新キャストとなる羌瘣(清野菜名)をメインに、大沢たかおや豊川悦司などのベテラン陣の殺陣とお芝居を堪能する作品となっています。
前作と今作の違い
好みは分かれると思いますが、個人的には前作を大きく超える満足度。
前作は、信の生い立ち・ヒョウとの関係性・エイ政との出会いを描き、「天下の大将軍」を目指して戦に出ることを決意するまでの物語。
シリーズ第一作目ということで、信やエイ政のルーツやアイデンティティーを中心に描かれていたので、戦以外のストーリー展開も多くありました。
今作「キングダム2 遥かなる大地へ」は、信の初陣・蛇甘平原の戦いを描き、信が実際の戦や将軍の戦い様を目の当たりにして戦を学んでいく姿が物語の柱になっています。
サブストーリーとして、戦で同じチームとなった羌瘣の、姉と慕う大切な人を失った過去や、仲間を守り守られることを通して変わっていく姿が描かれています。
前作とは異なり、戦以外のシーンは羌瘣の回想場面くらいしかありません。
戦のシーンに関しては、前作は物語上すべて城の中で行われていたのが、今作は平原が舞台になっています。
広い平原に人も馬もたくさんいて、スケールがかなり大きくなっています。
物語重視の人は前作、アクション重視の人は今作のほうがハマるかもしれません。
ネタバレあり感想・学び
・自分を奮い立たせて戦いに挑んでいく姿、シンプルにアツい。
・縛虎申、おまえいいキャラだな。人の上に立つとはそういうことか。
・いろいろ弱気な時に観たんで、「お前はまだ生きてるじゃないか!」のセリフでストレートに泣いた。そうだ、私はまだ生きている。
・あきらめたり弱気になることばかりのわが人生、戦うことを忘れていたなと。
・「戦う」ってのはゆずれない信念を持つことなんですよね。信の言う「夢」。
・待つ。ねばる。勝機を見出して挑む。戦い方はいろいろある。
・私も日々もうちょっと戦ってみたら、人生もう少し面白くなるかもな。
・前作の楊端和もだけど、強い女はかっこいいし、かっこいい女は美しい。
・私も強くてかっこいい女になるぞ!!!!!
おわりに
最後の最後に佐藤浩市と玉木宏出てきたけど?もう映画終わるよ?って思ったら、しっかり「キングダム3」の公開が決定しているとのこと!
映画で次回作の引きがあるってめずらしい~!
しかも来年2023年公開。スパンがめちゃくちゃ早い。
エンドロール後に特報ありだったんだけど、長澤まさみいたよね?あれ?
楊端和カムバックしたら、キングダムおまえ、最強映画になってしまうぞ……。
最高な気分で終わりを迎えたので、次回作の特報もあるなんてひゃっほ~い!て感じでした。
次作はオールスターって感じになるのかな? 楽しみ~!
【初恋の悪魔2話】星砂と馬淵兄の関係性は?考察してみた
「初恋と悪魔」第2話。
先週の初回は開始5分で胸の高鳴りが最高潮となったこのドラマ、第2話は開始2分で胸のときめきが止まらなくなりました。
林遣都と仲野太賀の会話劇を見ていられるだけで、幸せこのうえないんですよね……。
さてこのドラマ、面白いのか、つまらないのか、よくわかんない!という人が多数なのではないでしょうか。
よくわかんないけど最高!っていう人か、よくわかんなくてつまんない…、という人に分かれるのではないかと。
ドラマの方向性をあえて定めていない感じがするので、そのカオスさを好きだと思えるかどうかで評価が分かれる気がします。
以下、考察と感想・雑感です。
※ネタバレありますのでご注意ください!
「初恋の悪魔」第2話 考察~星砂とヘビ女とは
①馬淵の兄と星砂の関係性
星砂の別人格と思われるヘビ女は、馬淵兄と恋人関係にあったのではないか? と推察。
- 第1話で星砂が資料室で探していたのは、馬淵の兄が殉職した事件の資料だった
- これに気付いていた馬淵から兄のことを知っていたか?と聞かれ、「わかんね」と答える星砂
- 馬淵兄の物だと思われるスマートフォン(バナナのシールが貼られている)が、どうやら星砂の家にある
そしてこのドラマは、タイトルにもあるように「恋」が必ずキーになってくると踏んでいるので、これらからヘビ女と馬淵兄は恋人関係にあった(と星砂は思っている)のではないかと。
「わかんね」という答えははぐらかしたのではなく、自分の別人格が馬淵兄とどうか関わっていたのか星砂は本当にわからなくて、だから資料を探していたのではないかと考えています。
②人間の持つ多面性
- 猟奇殺人への愛を語りながら、落ち込んだ馬淵を励まそうとする鹿浜
- 顔は笑いながら、心の中では怒っている馬淵
- 多重人格だと思われる星砂
星砂のように障害を持っているわけではなくても、人間には多面性がある。
今回の事件は、仲良しと思われていた兄弟間で殺人が起こってしまう、というもの。
また、事件を解決する鍵となった「借用書」は、「切り絵」として切り抜かれていたものが捨てられていました。
美しい切り絵も、別のピースを当てはめれば、借用書に姿を変えてしまう。
ということからも、このドラマでは「多面性」がフォーカスされているように思います。
それが一番象徴的に描かれるのが星砂なのかな、と。
「欲しいものを手に入れた人と、手に入らなかった人がいて、一番欲しいものが手に入らなかった人は、もう他になんにも欲しくなくなってしまう」
という馬淵のセリフがありましたが、星砂の中に"欲しいものを手に入れた人と、手に入らなかった人"が共存しているのではないか?と松岡茉優のお芝居を見て思いました。
つまり星砂にとって、欲しいものを手に入れた人=ヘビ女で、一番欲しいものが手に入らなかった人=星砂、なのかなと。
「欲しいもの」というのは、警察官としてのキャリアなのか、はたまた恋人なのか……というのはまだわかりませんが。
監察医(田中裕子)の机の上に飾ってあったのは、星砂ではなくヘビ女なのかもしれないですね。
そういえば、エンディングのモチーフになっているルービックキューブが気になっていたのですが、これもまんま多面性じゃないか……!(いま気付いた)
やはり人間の多面性というのはキーになるかもしれません。
というかなりますね。カルテットもそうでしたもんね。
「初恋の悪魔」第2話 感想・雑感
ミステリー?ラブ?ヒューマン?ホラー?
第2話も無事に事件は解決し、馬淵(仲野太賀)の恋愛事情や兄との関係性が明らかになったのですが。
物語として面白いかどうか?というと、正直まだよくわからないです(えっ)。
面白いというか、「意味不明なカオスさにワクワクする」という感じですね。
なぜなら、ミステリー・ラブ・ヒューマン・ホラーなどのあらゆる要素がてんこ盛りになっている状態で、このドラマが最も重きを置いているのは何なのか?ということが2話時点でもまだよく分からないからです。
警察嫌いな馬淵たちが、警察組織に立ち向かっていくドラマなのか?
鹿浜・星砂・馬淵の三角関係な恋模様が描かれていくドラマなのか?
メジャーな道から外れた者たちが、絆を深めていくドラマなのか?
額から血を流した安田顕にまつわるホラーを楽しむドラマなのか?(たぶん違う)
という焦点が定まっていないんですよね。
というか、あえて定めていないんだと思うんですけど。
なので、どう見たらいいか分からなくて、つまらないと感じる人もたくさんいると思います。
このカオスを「意味わからん!!!」と楽しめるタイプの人には、向いているドラマだと思います。
または、林遣都・仲野太賀・松岡茉優・柄本佑のお芝居におぼれたい人にはめちゃくちゃオススメです。
変人を愛らしく演じている林遣都のすごさ
私としては、
闇が深そうに見えて、実はピュアでいい奴っぽい鹿浜as林遣都
ピュアでいい奴そうに見えて、実は闇が深そうな馬淵as仲野太賀
の掛け合いが見られるだけで、よだれ垂らしそうなほど至福なんですよね。
2話では、亡き兄に電話をかけるシーンの仲野太賀のお芝居がすごいと話題になりました。
このシーンは間違いなく素晴らしかった。のですが、
猟奇殺人を愛しているような変人を、あんなに愛らしく演じられる林遣都にももっと注目してほしい!
個人的に第2話の推し鹿浜は、自分のハサミコレクションを嬉しそうに紹介するシーンですね。
「あんた、街歩いてて職務質問とかされないか?」
「君たちはされないとでも言うのか」
はあ、名シーン。
「初恋の悪魔」概要
放送日:毎週土曜日22:00~
主演:林遣都、仲野太賀
脚本:坂元裕二(「大豆田とわ子と3人の元夫」「カルテット」など)
プロデュース:次屋尚、池田偵子
演出:水田伸生、鈴木勇馬、塚本連平
「石子と羽男」第2話【声を上げる、とは?】
「石子と羽男」第2話。
第1話の感想記事にも書いた「声を上げる」というメッセージが、今回も描かれていました。
「声を上げた」親子と、「声を上げなかった」女性の対比のようにも見えたなと。
以下、「石子と羽男」第2話の3行あらすじと、3ポイント考察です。
※ネタバレあり!
「石子と羽男」2話 3行あらすじ
- 「息子が無断でスマホゲームに課金してしまった」と無料相談に訪れる親子
- さらに、息子ではない誰かがゲームアカウントを乗っ取り、課金される事件が発生
- 自分の環境を恨む犯人の逆恨みによる犯行。息子の課金は母のためだった
「石子と羽男」2話 3ポイント考察
「声を上げた」親子と、「声を上げなかった」女性
Wワークをしながら息子を進学塾に通わせるシングルマザー(木村佳乃)。
息子が自分に無断でゲームに課金をしてしまい、十数万の請求がきたということだったけれど、同じような問題が起きて泣き寝入りした経験のある人も多いのでは。
けれど彼女は忙しい合間をぬい、弁護士への「無料相談会」をねらって、きちんと相談に来た。つまり、声を上げたのである。
その結果、親子は法律の下で正当に問題を解決することができた。
一方で、犯人であった女性は自身が生まれた家庭環境を恨み、その怒りは犯罪という不当な形で他人にぶつけられ、逮捕されることになってしまった。
もし彼女も、正当に「声を上げる」ことができていれば。そして、正当に「声を上げる」方法や手段を、知る機会があれば。心を曲げずにいられる誰かと出会えれば。彼女の人生は変わっていたかもしれないのになあ、と思う。
「石子と羽男」プロデュースの新井氏は、人生を変えてしまったかもしれない機会や出会いというものをたびたび描いている。「MIU404」では"スイッチ"という言葉で表されていたように。
「くっだらねー。自分の人生に不満あるからって他人に矛先向けんなよ」
ただし今回は、「親ガチャ」に憤る女性に対し、羽男は「くっだらねー」と一蹴する。
"スイッチ"は確かに存在するのかもしれない。
けれどそれがどうであれ、その結果「他人に矛先」を向けるのはきっと正しくない。
じゃあどうすればいいのか、という問いの答えの1つが「声を上げる」ことなのだろう。
個人的に、この台詞はとてもよかった。
「親ガチャ」という言葉、「確かに生まれた環境の当たり外れはあるよな」みたいな肯定ともとれる論調で語られがちな気がする。
それは正論かもしれないけれど、そんなことを言っても何も変わらないわけで。
だからこそ羽男から出た言葉は、肯定でも否定でもなく「くだらねー」だったのだろうと思う。
羽男自身もどうやら母との関係に何かあるようで、このあたりの描かれ方も楽しみ。
未成年の失敗は社会全体でカバーする
Wワークで疲弊する母を救いたい→塾をやめればいい→塾をやめるためには問題を起こそう→スマホゲームで課金しよう、という考えで問題を起こした息子。
子どもは「声を上げる」手段を知らない。
母に伝えるということすら、言葉を知らない子どもにはできない。
だからこそ、「未成年の失敗は社会全体でカバーする」。
そして成人するまでに、その手段を教えるのが大人の役目だよなあと思ったり。
おわりに
今回地味にテンションが上がったのですが、セブンイレブンにいる有村架純・中村倫也・赤楚衛二ってかなりレアじゃないですか???
直後にセブンのCMが流れていたので、提供だから為せる業か~と納得。
あと石子の衣装がちゃんと着回しになっているところも地味にポイント高いです。
緑のカーディガン似合っててかわい~!
さて、赤楚くんは今回セリフも少なめだったけど、石子に恋するだけの役回りなの?
パラリーガルとか弁護士の仕事については何も関わってこないのかな?
それはちょっともったいない気もするんですが、その動向も含めて3話も楽しみです。
「石子と羽男」概要
放送日:毎週金曜日22:00~
主演:有村架純、中村倫也
脚本:西田征史(「とと姉ちゃん」「必殺仕事人2020」など)
プロデュース:新井順子(「MIU404」「最愛」など)
演出:塚原あゆ子(「MIU404」「最愛」など)、山本剛義
【2022年7月期】「初恋の悪魔」第1話【感想&あらすじ】
7月16日(土)からスタートした日本テレビ系7月期ドラマ「初恋の悪魔」。
ドラマとしては「大豆田とわ子と3人の元夫」ぶりの坂元裕二脚本の作品。昨年話題になった映画「花束みたいな恋をした」でその名前を見かけた方も多いのではないでしょうか。
坂元脚本×日本テレビのドラマは「Mother」(2010年)や「anone」(2018年)など雰囲気が重めな作品が多いイメージがあったのですが、今回は"ミステリアスコメディー"とのことで、どのようなテイストになるのかな?とワクワクしながら第1話を視聴しました。
結果、ドラマ開始5分で胸の高鳴りは最高潮となり、「最高だ……」という心の声が思わず漏れてしまうことになりました。
以下、1話のあらすじと個人的な感想です。ネタバレがありますので要注意!
- 「初恋の悪魔」こんな人はぜひ見てほしい!
- 「初恋の悪魔」1話あらすじ
- 「初恋の悪魔」1話感想 ※ネタバレあり!
- 2.「負けてる人生って誰かを勝たせてあげる人生です」
- 3.タイトル「初恋の悪魔」の意味
- さいごに
- 「初恋の悪魔」概要
「初恋の悪魔」こんな人はぜひ見てほしい!
- 「大豆田とわ子」のような会話劇が好き
- 伏線が散りばめられた考察ドラマが好き
- 「カルテット」のような欠点だらけのキャラクターが好き
「初恋の悪魔」1話あらすじ
警察署の総務課職員・馬淵(仲野太賀)。親しくしている会計課の小鳥(柄本佑)から、署内で捜査されている事件の捜査をしてほしいと頼まれる。馬淵は総務課の自分にはできないと戸惑うものの、以前署長の雪松(伊藤英明)からある理由で紹介された男・鹿浜(林遣都)の存在を思い出す。停職処分中の刑事である鹿浜に相談を持ち掛け、3人は捜査会議を始める。馬淵と小鳥は調査のために資料室に侵入するが、そこでなぜか生活安全課の星砂(松岡茉優)と遭遇。同じ事件を調べていると聞き、彼女も加えた4人で捜査を始めるーー。
「初恋の悪魔」1話感想 ※ネタバレあり!
キャラと謎の大渋滞。見ていない方にお伝えしておくと、1話で分かることは4人が解決しようとする事件の真相のみです。あとは謎だらけです。やはり"ミステリアスコメディー"ということで考察要素は多いのですが、メインは4人の会話劇にあると思います。「カルテット」(2017年)もマキは夫を殺したのか?という大きな謎を示しつつ、本質は4人の会話から見える感情や関係性にあったことと似た構図なのかな?という気がしています。
ここからは気になったところを3つピックアップして、感想を書いていきます。
1話で浮かんだ8つの謎
1.馬淵の兄の死
馬淵の兄は刑事であり、殉職している。署長によると事故死ではなく、警察署内に犯人がいるという。なぜ兄は死んだのか?殺人だとすれば、犯人は誰なのか?
2.署長がうさんくさすぎる
署長はなぜ馬淵の兄が事故死ではないと知っているのか?そしてなぜその犯人として鹿浜を疑ってみたり、かと思ったら馬淵を疑ったりしているのか?
3.ヤバそうな男・鹿浜
凶悪犯罪に目がない鹿浜。なぜ停職処分になったのか?なぜ洋館に住んでいるのか?
4.鹿浜の隣人・森園(安田顕)
コイツに至ってはほぼ情報なし。何者???
5.馬淵と小鳥の関係性
小鳥によると「刑事が嫌いだから」という理由で2人は親しくなったらしい。2人はなぜ刑事が嫌いなのか?なぜ親しくしているのか?
6.星砂が調べていたもの
資料室で出会った星砂が本当に調べていたことは何なのか?
7.星砂とお医者さんの関係
医者(田中裕子)となぜか親しげな星砂。医者の机にはスーツを着た星砂と医者が写った写真。2人はどんな関係性?
8.星砂の秘密
ブルゾンとデニムにスニーカースタイルの星砂。自分が買っていたらしいピンヒールの靴を押し入れに投げ込み、「ヘビ女」とつぶやく。ヘビ女とは誰なのか?
2.「負けてる人生って誰かを勝たせてあげる人生です」
このドラマの主人公たちは、警察署の事務員2人と、停職中の警察官だ。警察署を舞台にした話で、主人公はバリバリ働く刑事ではない。とある誰かや、実体の見えない「社会」とやらから見れば、彼らはメインストリームから外れている人たちなのかもしれない。けれど坂元裕二はそんな彼らを主人公にする。捜査権のない彼らに捜査をさせる。事件を解決したところで、それは彼らの手柄にはならない。誰かを救っても、彼らにスポットライトは当たらない。けれど坂元裕二は、そんな彼らにスポットライトを当てる。
このドラマの本質は、「負けてる人生って誰かを勝たせてあげる人生です。最高じゃないですか」という馬淵の言葉にあるんじゃないかと思う。その中で、メインストリームにいないことを全く気にしていなさそうな鹿浜と、前線に立つ自分とそうでない自分を併せ持っていそう(=多重人格)な星砂がどう作用していくのか?というのが個人的には気になります。
3.タイトル「初恋の悪魔」の意味
1話を観ただけではこのタイトルの意味が全く分からない。ミステリアスコメディーのはずなのになぜ「初恋」?だけどあの坂元裕二が恋愛を描かないはずがないだろう。ということでこのタイトルに隠された意味を少しずつ理解していくドラマになるのかな?と想像。1話では、ラストに鹿浜が星砂のことを「頭から離れない」「考えるとドキドキする」状態に陥っていることが明かされました。これは恋心なのか、それとも殺意なのかーー(馬淵「恋心です」)。
さいごに
会話劇+謎ばかり+癖キャラしかいない、というドラマなので好き嫌いは分かれるかもしれません。私は大好きなのでこの夏の楽しみになりました。そして個人的に好きな俳優である林遣都。今年1月の「愛しい嘘」でも怪演を見せていましたが、鹿浜の癖が強すぎるキャラクターがかなりハマっていましたね。あの走り方、どうやったらできるんですか?これから3カ月も林遣都・仲野太賀のお芝居が見られるなんて、幸せだ……。
「初恋の悪魔」概要
放送日:毎週土曜日22:00~
主演:林遣都、仲野太賀
脚本:坂元裕二(「大豆田とわ子と3人の元夫」「カルテット」など)
プロデュース:次屋尚、池田偵子
演出:水田伸生、鈴木勇馬、塚本連平
【2022年7月期】TBSドラマ「石子と羽男」第1話【あらすじ&感想】
7月15日(金)からスタートしたTBSドラマ「石子と羽男」。
事件の影響で放送開始日が翌週に後ろ倒しになるアクシデントもありましたが、情報解禁になった時から楽しみにしていたこのドラマ。ドラマウォッチャーの皆さまならば私と同じように楽しみにしていた人も多いでしょう。
結論として、第1話……期待どおりに面白かった!!!
以下、1話のあらすじと個人的な感想です。ネタバレがありますので要注意!
「石子と羽男」1話あらすじ
石子(有村架純)がパラリーガルとして働く父の法律事務所に、弁護士の羽男(中村倫也)が採用されて共に働くことに。
羽男の元に「カフェで携帯を充電していたら訴えられ、100万円を請求された」と相談に来た大庭(赤楚衛二)。カフェの店長と交渉して何とか解決に持ち込もうとする石子と羽男。そして実は大庭、これとは別に勤務先でのパワハラに関する悩みを抱えていてーー。
「石子と羽男」1話感想 ※ネタバレあり!
新井順子プロデュース×塚原あゆ子演出の新作ドラマということでかなり期待して見始めたのですが、期待どおりに面白かったです。ドラマの肝は、1話終盤の石子が言った「なぜ声を上げないんですか?」に詰まっていると思います。石子と父(さだまさし)の関係や羽男の過去なども気になりますね。1話の中で展開が何度も変わっていき、リーガルドラマとしても十分に楽しめました。
その中で私が注目した3つのポイントについて取り上げたいと思います。
1.羽男という男
この男、面白い。1話時点で分かったこととしては、
-
高卒で司法試験を1発合格
-
1度見たものは全て覚えられる瞬間記憶能力がある
-
弁護士としての能力には自信がなく、必死にキャラを付けて売れようとしている
-
石子と出会ったときは外国語&癖ありキャラを推進中
-
そのため現在の口癖は「So Content?」(満足という意味らしい)
などなど。見始めた時は「はいはいこういう変人弁護士キャラね~」と思っていたけれど、実は打たれ弱かったり、提供された映像を全て見るまじめさがあったり、休日にまで1人で案件を解決しにいこうとする熱心さがある。つかみどころがなさそうでつかみどころありすぎる感じが中村倫也にぴったりである。現時点で、これは中村倫也の当たり役になるのでは……という予感がびんびんしている。
どうやら過去にトラウマもあるようで、そのあたりが今後ドラマにどう関わってくるのか注目してみてみたい。
2.バディ物であると思いきや……
「石子と羽音」というドラマタイトルからもてっきりバディ物かと思っていた。が、1話ではクライアント役だった大庭(赤楚衛二)が、2話から同じ法律事務所で働くことが明かされる!
弁護士(羽男)とパラリーガル(石子)のバディ物ではあるんだろうけど、おそらく赤楚くんの役も弁護士なりパラリーガルを目指すんだろうから、いろんなコンビが楽しめそうだ。弁護士を目指さないという石子の考えも、大庭が掘り下げたり影響を与えていったりするんだろうか。
3.サブタイトル「そんなコトで訴えます?」の意味
1話は2部構成になっていた。前半は大庭(赤楚衛二)がカフェでの携帯充電で訴えられそうになる話。後半はそれをきっかけに大庭が会社のパワハラについて石子と羽男に相談する話。そして途中、本当にパワハラをしていたのは実は大庭なのでは?……というどんでん返しがあると見せかける。
このドラマには「そんなコトで訴えます?」というサブタイトルが付いている。つまり、「そんなコト=カフェでの携帯充電」から、「大きなコト=パワハラ」につながっていく構成になっていた。羽男はパワハラ上司を追い詰め、無事に解決!……と思いきや、それを社員が告発できない……というどんでん返しに遭う。
なぜ告発できないのか?といえば、大きなコトであるはずのパワハラを、「そんなコト」だと思い込んでしまうからである。そんなコトで会社にたてついていいのか。そんなコトで悩んでいる俺・私は弱いやつなのか。そんなコトで弁護士に相談していいのかーー。そこで石子は言う。「なぜ声を上げないんですか?」と。
つまり何が言いたいかというと。このドラマは、「そんなコト」で訴える話かと思いきや「大きなコト」に発展していくドラマ……ではなく、「そんなコト」でも訴えていきましょうや!というドラマだ、ということだ。もちろん、「訴える」というのは法律的にというのがドラマとしての表面的な意味ではあるものの、石子の言うように広く「声を上げ」ようよ、というのがメッセージだろう。
さいごに
どんな小さなコトでもいい、声を上げよう。というテーマが個人的には刺さったので、今後このメッセージをどのような物語を通して伝えてくれるのか楽しみです。石子と羽男の過去が気になる~!
★第2話感想はこちら↓
「石子と羽男」概要
放送日:毎週金曜日22:00~
主演:有村架純、中村倫也
脚本:西田征史(「とと姉ちゃん」「必殺仕事人2020」など)
プロデュース:新井順子(「MIU404」「最愛」など)
演出:塚原あゆ子(「MIU404」「最愛」など)、山本剛義